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​設立趣意

 我が国の水産業は、水産生物資源量の減少に加え、漁業者の高齢化と後継者不足によってかつてない厳しい時代を迎えています。水産業の維持・回復に向け、とる漁業から養殖への転換とその

拡大を図ることの必要性が叫ばれて久しくなりますが、いまだ有効な養殖システムは構築されて

いません。

しかし、海外に目を向けると、魚介類の利用と養殖は急速な伸びを示しており、養殖は夢のある

職業として注目されています。

 そこで私たちは、10年後、20年後の水産業を明るいものとするため、新しい視点を持って

養殖業のあり方を考え、革新的な養殖技術の開発と養殖を軸とした海洋産業の創出を目指して、

「次世代養殖戦略会議」を設立しました。

 私たちはこの会議を、現在の養殖における課題を多角的に抽出しながら、それを解決するための養殖技術の開発、さらには未来の養殖を支える新たな産業システムの開発に向けて積極的な意見

交換と論議を行う場と位置づけています。そして、この会議では、国内における水産資源利用の

拡大に加え、養殖魚の海外への販売展開を視野に入れた新たな養殖産業のあり方にも踏み込んで

論議を進めてまいります。また、今後求められる養殖は、養殖業に携わる方々の労働力とコストの削減を可能とする高度管理型養殖(インテリジェント養殖)と、海と人と地球の健康を意識した

低炭素・低環境負荷型養殖です。そのためには、水産・環境・工学・情報・医薬・経済などの異分野間において、これまでにない斬新な連携構築を行い、我が国の水産業の復活の基盤を作り上げることが必要です。

 長崎県は我が国有数の水産県であり、この地域には漁業・養殖に関わる多くの技術と経験が蓄積されています。また、目の前に広がる東シナ海は、かつて豊饒の海と呼ばれ、我が国、そして世界における水産資源の供給場所として大いに利用されてきました。私たちは、「人と環境に優しい

次世代型の養殖」を、この長崎の海からはじめることとしました。

 10年後、20年後においても、海洋生物資源を持続的に利用するため、そして、水産業が我が国の基幹産業としてあり続けるために、知恵を結集し、新たな養殖の形と技術の創造を目指します。皆さんの技術と知恵と力をお貸しください。

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次世代養殖戦略会議

​会長 征矢野 清

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